慶應義塾大学→京大に仮面浪人で合格した吉川将平さんインタビュー

慶應義塾大学→京大に仮面浪人で合格した吉川将平さんインタビュー

仮面浪人生活を送る上で、不安はありましたか?

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正直に言うと、そこまで不安はありませんでした。親に同意を得て、いざ仮面浪人を始めるという時はプレッシャーに押しつぶされそうになり、さすがに「なんてことをしてしまったのだろう…」と思いましたが、ネットで同じ大学の中に仮面浪人生を見つけて、連絡を取って実際に会って話してみると一人じゃないんだと感じ、「自分の状況は決して特殊じゃないんだな」と思うようになりました。他の人もやっているということでプレッシャーが無くなり、その後の不安はほぼありませんでした。

よく仮面浪人生は、大学の授業と両立する場合、「勉強時間が確保できない…」という不安を抱えると思います。しかし自分は、最初からあまり勉強時間がとれないと考えていたので、空き時間を見つけては「ここも空いてる」といった感じで、加算的に考えていました。僕はこのように仮面浪人はプラスアルファという感じで捉えていたので、気負いすぎることもなく、大学生活も受験勉強もしっかりやり遂げられたのかもしれません。

受験直前はどのように勉強していましたか?

一浪時の模試の成績が良かったので、仮面浪人の半年で浪人時まで学力を戻し、京大対策をすればいいと思っていました。

ただ慶應の期末テストが2月上旬にあり、大学の勉強を中心にしていたので、それを終えて受験勉強に戻った時に受験勉強の知識が抜けてしまっていて、これはまずいなと思いました。なので、そこからは受験勉強に専念しました。

受験は前期で京大のみ受けました。それでもし駄目だったら、サークルにも馴染めていたので、慶應に戻って進級時の専攻も真剣に考えて大学生活を送ろうと思っていました。よく考えると「専攻に捕らわれず、自分の興味がある分野を勉強したい」という軸から考えると、京大以外も選択肢としてあったのかもしれません。

しかし、そこであれもこれもという気持ちになってしまうと、どっちつかずの中途半端な状態になってしまうし、残された時間的にも京大以外の勉強をする余裕もありませんでした。そして何より、京大の雰囲気が好きだったので、「京大に行きたい!」という気持ちが強く、京大しか受けませんでした。

仮面浪人を経て、「目標は無理に探さなくても良い」と気づいた。

合格後の周りの反応はどうでしたか?

僕は仮面浪人をプラスアルファとして考えていたので、受かればいいなという気持ちでした。しかし、実際に合格だと分かると、嬉しくて泣いてしまいました。

親も期待半分だったと思います。なので、合格したことを報告したら親は驚いていました。

また友達には仮面浪人していることを話していなかったので、報告したら驚いていましたね。

京大に入り、学生生活の変化はありましたか?

ありました。京大は一般教養の授業を好きなだけ履修できるので、興味がある科目はとことん学べていると思います。

もちろん面白くない授業もありますし、レベルが難しい授業もあります。しかし、やってるうちに面白くなったり、理解が進むこともあるので、「こういう面白いこともあるんだ!」という発見もあって楽しいです。

後は学生も全然違うと思います。自分はこうしたい!という個性派が多く、みんな違ってみんなすごいなと感じます。お互いで絶対知らないことを知ってる、ということが多くあるので、新たな発見が多く感じられます。

仮面浪人を経て、価値観の変化はありましたか?

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物事の両立方法を取得できたと思います。今もサークルとか携わっていることが沢山ありますが、仮面浪人の経験から、やりたいことから考えて優先順位つければなんとかなると分かりました。なので、今の活動を両立させるという面において仮面浪人の経験が活きていると思います。

さらに、仮面浪人を通してやりたいことが見つかりました。僕は仮面浪人を経験して、大学に入らないとどんな授業をやっているのか分からないし、仮面浪人してる人がいるということも、実際に仮面浪人してみないと分かりません。その新しいステップを踏み出す時に、欲しい情報が得られないなと思いました。そこで、ライフイベントや新しいステップを踏み出す時の情報取得環境を整えたいなと思うようになりました。そのため、自分が進みたいと思っている環境にすでにいる人から、生の情報を取得できる場を提供する、マッチングビジネスのような仕組みが作りたいと感じるようになりました。

京大に入学してから、価値観の変化はありましたか?

目標は無理に探さなくてもいいと思うようになりましたね。今までは人生のルートの上で目標があって、それを達成し、それが終わったら次の目標を探すという感じで生きてきました。しかし、そうすると目標を常に探さなきゃいけないし、キリがありません。「なんのために生きているのだろう」とすら思っていました。

しかし、京大に来ると自然とやりたいことが出てくるので、目標を無理に探さなくても良くなった。例えば様々な一般教養科目を勉強し、アンテナが広がっていきます。そうするとキャッチできなかったことにも関われるようになり、興味が広がり続けます。そのため、「目標を常に探す」という考えから、様々なことに触れ、その中で自分のやりたいことを突き詰めていく、という考えに変わりました。そのため、常に毎日イキイキした生活を送れているのではないかと感じます。

それでは最後に、後輩へのアドバイスをお願いします!

まず仮面浪人は学歴のためではなく、自分のやりたいことを達成するためだと思います。そのため、「何を目指しているのか」ということを明確にする必要があり、その手段が仮面浪人だと考えたなら、挑戦するべきです。そうでは無かったら、別の選択肢を考える事をおすすめします。

というのも、仮面浪人にはやっぱりリスクがあり、他のことで担保できるならその選択肢を取るべきです。もしかしたら大学の中で転部したり、大学院に進学するという選択肢もあるかもしれません。そういう選択肢も十分考えた上で、仮面浪人するかどうか決めて欲しいと思います。

【インタビュー日時:2015年4月26日】

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