大阪市立大学→京大に仮面浪人で合格した梶本雄一朗さんインタビュー

大阪市立大学→京大に仮面浪人で合格した梶本雄一朗さんインタビュー

梶本雄一朗さんのプロフィール

出身地 大阪府
学歴 大阪府立北野高校→一浪(駿台大阪校)→大阪市立大学工学部建築学科→京都大学総合人間学部(現在2年)
現在の動向 学校建設と教育支援の学生団体で活動中
仮面浪人形態 大学の授業と並行して受験勉強を行う
予備校 通っていない
アルバイト カフェでバイト(週3日くらい)
サークル ラクロス部に所属(9月まで)

ラクロスでもっと上を目指したいと思い、仮面浪人を決意。

梶本さんは大阪市立大学に一浪をして進学された後、仮面浪人を経て京都大学(以下、京大)に進学しています。まず、大阪市立大学に進学した理由はなんですか?

もともと僕の高校は京大に毎年50~60人行く学校だったので周りに京大志望の人が多く、そのような環境の中で僕も自然と京大を志望するようになりました。

しかし、現役時は不合格となり一浪したのですが、一浪時でもダメだったので合格した大阪市立大学に進学することにしました。

かなり勉強したのにダメだったので、「これだけやってダメだったならしょうがないな」と思い、一浪終了時には二浪も仮面浪人も全く考えておらず、4年間過ごそうと思って大阪市立大学に進学しました。

では、仮面浪人を決意した理由はなんですか?

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ラクロスでもっと上を目指したいと思うようになったからです。

僕は大学生活では勉強以外の課外活動も頑張ろうと思って大学に進学しました。そこで大阪市立大学ではラクロス部に入って、1回生のキャプテンになるなど精力的に活動しており、リーグ戦で優勝を目指そうと練習に明け暮れていました。

そうして必死に練習していく中で、僕はありがたいことに関西ユース選抜に選んでいただけるまでになりました。

しかし、チーム全体としては大阪市立大学は2部リーグに属しており、そこまで強くありませんでした。

そのため、だんだんと「もっとラクロスに本気で取り組む環境に行きたい」「もっと上のレベルで挑戦したい」という気持ちが抑えられなくなっていきました。

そこで、もともとの第一志望であり、しかも当時日本一を目指せるほどの強豪校だった京大ラクロス部に入って自分の力を試したいと思うようになり、仮面浪人を決意しました。

仮面浪人を始めるにあたり、誰かに相談はしましたか?

まず、部活のコーチに相談しました。

というのも僕は仮面浪人をするにあたり部活を休部しようと思っていたので、きちんと話さざるを得なかったからです。

するとコーチは僕の意志を尊重してくれましたが、当時僕が1回生のキャプテンを務めていたこともあり、「夏の大会が終わるまではきちんと部活を続ける」ということで話がまとまりました。

そのため、僕が仮面浪人を本格的に始めたのは夏の大会が終わった9月からになります。

周囲の友達にはほとんど話しませんでした。

部活のメンバーには休部することもあり伝えたのですが、学部の友人には温度差ができるのが嫌だったので全く話しませんでした。

高校の友人には仲の良かった子に同窓会で会った時に話した記憶があります。その時は応援してくれましたね。

ご両親はどのような反応でしたか?

両親には仮面浪人について全く話しませんでした。というのも現役、一浪時に僕が受験に失敗した際に母親が泣いていたのを知っていたからです。これ以上両親に心配をかけたくないという思いから話さないようにしました。

そのため、自分でバイトをして受験料と入学金を稼ぎさえすれば仮面浪人をして合格するまで両親に秘密にできると思っていました。

ただ、結果としては11月頃に両親に仮面浪人をしていることがバレてしまいました。

実家暮らしだったので受験勉強をしているのを気付かれないように参考書をベッドの下に隠していたのですが、母親が掃除した際に見つけたのだと思います。

その際に母親から電話がかかってきて「受験するの?」と聞かれました。その時は「ただ置いているだけ」と嘘をついていたのですが最終的には誤魔化しきれずに本当のことを話しました。 
すると初めは「もう2回も受験失敗しているんだぞ」と大反対されました。しかし、自分の思いをきちんと伝えて「留年はしない」「親に迷惑はかけない」という約束をした結果、渋々ではありますが両親は納得してくれました。 

9月から受験勉強を開始し、時間が少ない中での仮面浪人生活。

‐部活の関係で仮面浪人を開始したのが9月頃と、普通の浪人生より勉強を始めるのが遅いことに不安はありませんでしたか?

もちろん不安が全く無かったといえば嘘になります。

ですが、僕は部活で皆を引っ張っていく立場だったので中途半端な形で部活を辞めたくありませんでした。実は高校の時に部活と受験が中途半端になってしまって後悔した過去があるので、その反省を活かして「きちんとやることをやってから受験勉強に切り替えよう」と思いました。

そのため、勉強時間が少ないことに多少の不安はありましたが、その選択に後悔は全くありませんでした。

では、実際にどのような仮面浪人生活でしたか?

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仮面浪人をする際に親と「留年はしない」と約束をしていたため、単位は取ろうと思っていました。そこで、出席しないといけない授業とテストだけで乗り切れる授業を見極めて大学に通いました。

また、受験費用を稼ぐためにカフェでのアルバイトを週3~4日していました。

なので、勉強は平日の授業終わりなどに大学の図書館でしていましたね。

たまたま大学の友人に同じく仮面浪人をしている人がいたので、彼と一緒に図書館で勉強していました。特に勉強を教え合うことなどもなく、ただ同じ空間でお互い自習しているだけだったのですが、仮面浪人という特殊な状況下で同じ目標を持った仲間がいるというだけで非常に心強かったです。

また、予備校には通いませんでした。

というのも、机に座って授業を聞くのが元々好きではなく、宿題などに時間が取られるのも嫌いだったので予備校は自分に向いていないなと思ったからです。

‐では仮面浪人中に辛かったことはありますか?

正直そこまで辛いことはなかったですね。受験勉強自体もそんなに苦ではなかったですし…。

強いて挙げるとすれば、「成人式に行けなかった」ことぐらいですかね。浪人という微妙な立場でしたし、センター試験も迫っていたので行きはしませんでした。なので成人式後の高校の同窓会に出席できなかったことが少し心残りでした。 

ただ、仮面浪人は人生のターニングポイントだと思っていたのでここで成人式に行ってしまうと「こんな時に何しているんだろう…」と思うなと感じていたので心残りは多少ありますが、行かなかったこと自体に対しては後悔していません。

バイトをしながらの仮面浪人は勉強時間が減ってしまい辛くはなかったのですか?

これも全然辛くなかったです。むしろ受験勉強のいい息抜きになりました。

僕はバイト先の人に仮面浪人していることを話していなかったので、バイト仲間もこちらに変に気を使うことがなくて気軽に会話できていい気分転換になりました。

仮面浪人をしているとどうしても孤独になりがちなので、それが防げたのがよかったですね。しかも勉強の息抜きをしながら受験費用を稼ぐことができたので一石二鳥でした。(笑)

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