そのような仮面浪人生活を送られて受験結果はどうでしたか?
仮面浪人時も最初はずっと慶応を狙っていました。 11月に受けた河合塾の早慶模試で、慶応大学法学部の順位が全国3位だったので、ある程度自信もありました。しかし、11月に彼氏に早稲田の学園祭に連れて行ってもらい、大学の雰囲気に一気に惹かれて早稲田志望に変わりました。
なので、受験では早稲田をメインで受けました。最初に人間科学部の合格が分かって、とりあえず早稲田に行けることが決まりほっとしました。そのあとで志望順位が高かった教育学部にも合格できて、「憧れの早稲田に行ける!」と大喜びしました。
早稲田に合格して、仮面浪人への大きな動機だった学歴コンプレックスがスッと無くなり、心のモヤモヤがすっかり無くなりました。これでやっと人生のスタートラインに立てた感じがしましたね。
合格後の親や友人などの反応はどうでしたか?
親は喜んだというよりも驚いていましたね。「仮面浪人して、しかも本当に合格したのか!」と。友人には合格してからSNSで報告しました。仮面浪人のことはほとんど誰にも言わず、サークルや大学の授業にも普通に出ていたので、みんなびっくりしていました。一番喜んでくれたのは祖父でした。祖父は慶応出身だったので、孫が早稲田に受かったのが非常に嬉しかったみたいです。
憧れていた活発な環境での生活
早稲田進学後はどのような学生生活を送られましたか?また、東京女子大との違いは何かありましたか?
早稲田に入学してキャンプサークルに入り、憧れだった「早大生として早稲田のサークルに入る」という夢を叶えました。他にも1年生の夏休みにケンブリッジ大学に留学したり、一時期は同時に3つもバイトを掛け持ちしていたこともあります。仮面浪人の時もそうでしたが、私は予定が詰まっていて忙しいのが好きなんです。また、昨年はスウェーデンに1年間留学もしました。一年生の時に行った留学は短期だったので長期の本格的な留学がしたいと思っていて、その夢も昨年ついに叶える事ができました。
東京女子大との学生生活の違いは、周りの学生の気質の違いが一番大きいと思います。女子大の友達は先ほども話しましたが、おっとりしていて「これ面白いからやろう!」などと活発に動く子が少なかった。それに対して早稲田は面白い事に対して非常に貪欲で、何か思いついたらすぐ行動に移す人が多いと感じます。学生の熱量の多さがとてもいい刺激になりました。私の周りにもそんなエネルギッシュな人が多く、縁あって学生のみで経営するカフェをオープンさせるという経験もしました。
今振り返ってみて、仮面浪人をしてよかったと思いますか?
仮面浪人は非常に充実していて、楽しい1年間でした。サークルやバイトも楽しんだし、受験勉強もすればする分だけ成果が出るのが楽しかった。ことわざに「二兎を追う者は一兎をも得ず」というものがありますが、私は「大学生活と大学受験の二兎を追って、二兎を得る」ことができた。これは自分の中でとても大きな経験になり、自分に根拠のある自信を持てることができました。
だから、仮面浪人をして本当によかったと思います。人生が変わった、そう確信できるほど仮面浪人をして成功させたことの価値はありました。
関口さんが考える仮面浪人のメリット・デメリット、また仮面浪人を悩んでいる大学生にアドバイスを教えて下さい。
仮面浪人のメリットは、時間の使い方を意識するので要領のいい人になれること。受かれば人生で新歓に2回も行けること(笑)。
デメリットとしては常に不安に駆られること。これは受験生全員に当てはまるかもしれませんが…。また、サークルや大学などで何かやりたいことができても、「勉強しなきゃ」と思って自分のしたいことができないこと。あと、金銭面で親に負担をかけてしまうこともありますね。やはり、基本的には普通の浪人生よりもデメリットの方が大きいと思います。
仮面浪人に悩んでいる方へのアドバイスについては、その質問の内容によりますね。厳しいかもしれませんが、「仮面浪人を悩んでいるのですが、やった方がいいと思いますか?」と聞いてくるような方は既にダメだと思う。自分の人生がかかっている時にその人生の選択を他人に依存しているようでは絶対に成功しないと思います。なので、そういう最初から答えを聞きに来る子には「仮面浪人は大変だし、やめといた方がいいよ」と言いますね。
逆に「成功するには何が必要ですか」というような聞き方をされる方は、答えではなく成功のヒントを求めていて、そのヒントを基に自分の力で自分の道を切り開こうという意志が見えるので仮面浪人を勧めますね。そして、じっくり相談に乗りながらアドバイスすると思います。
では、最後に関口さんから、仮面浪人生へのメッセージをお願いします。
仮面浪人という進路について、私は合格できたから賛成です。しかし、仮面浪人にはそれなりのリスクも付いてきます。なので強い意志があり、どんな結果になっても「自分で決めた事だから」と納得できる方はぜひ挑戦していただきたいと思います。そして挑戦すると決めた方は、大変だとは思いますが悔いの残らないよう全力で頑張って下さい。
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