国際教養大学→大阪大学に仮面浪人で合格した木村准さんインタビュー

国際教養大学→大阪大学に仮面浪人で合格した木村准さんインタビュー

木村准(仮名)さんのプロフィール

出身地 福岡県
学歴 福岡県立修猷館高校→国際教養大学国際教養学部→大阪大学外国語学部フィリピン語専修(現在4年)
現在の動向 国際交流サークルにて活動中
仮面浪人形態 前大学を休学して受験勉強を行う
予備校 代々木ゼミナール福岡校(6月から)
アルバイト していない
サークル フットサルサークル(休学するまで在籍)

大学進学後に視野が広がり、仮面浪人を決意

木村さんは国際教養大学に進学された後、仮面浪人を経て大阪大学(以下、阪大)に進学されています。まず、国際教養大学に進学した理由は何ですか? 

僕は現役時代は一橋大学志望でしたが、不合格となってしまい、国際教養大学と九州大学に合格しました。そして当時は「浪人はしたくない」と思っていたので、浪人はせずに合格したどちらかの大学に行こうと思いました。

両親は地元の旧帝大ということもあり九州大学への進学を薦めてきましたが、自分としては「大学での学びをもって自分で動き、社会を変えるような大きなことがしたい!」と考えていました。そして、それが実現できるのは魅力的なカリキュラムが揃っていて、環境面で恵まれている国際教養大学だと思い、九州大学ではなく国際教養大学に進学しました。

では仮面浪人を決意した理由は何ですか? 

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それは国際教養大学に進学して、入学前に期待していたような環境とは違うと感じたからです。

具体的には、国際教養大学に行く学生は大学の勉強がきついと分かって入学しているので、社会変えてやろう!という野心的な人が多いのかなと思っていました。

しかし、自分が積極的に周囲にアンテナを張っていなかったためか、そのような「野心家」みたいな人は少ないように感じました。どちらかと言えば、サークルに入って、普通に就職できればいいやというような人が多かったですね。

もっと自分がアンテナを張っていれば、そういう人も見つけられたのかもしれませんが僕の周りにはおらず、そういうおっとりしたような友人の雰囲気に違和感を覚えました。 

また、国際教養大の人は5歳上の同期や、何年も浪人していた人など、年上が多く居ました。そういう人たちを見ていると、「なんで自分は現役にこだわっていたのだろう」と思ったことも大きな要因の一つです。現役の時は高校の友人に現役で進学した子も多く、そもそも浪人はしないというスタンスでしたが、それは本当に正しいのかと考えるようになりました。 

そのような状況の中で、やはり文系トップクラスで、バイタリティのある人が多そうな一橋をもう一度目指したい。そのためには、現役ではなくてもいいのではないかと考え、5月頃に仮面浪人を決意しました。

仮面浪人を決断するにあたり周りに相談しましたか? 

僕は仮面浪人を決意してから、高校の友人と大学の友人に話しました。

優しい友人が多かったこともあり、「寂しくなるけど、自分がよいと思うならやった方がいいんじゃない?」と応援してくれましたね。

高校の友人はもちろんのこと、大学でもサークルに入って仲の良い子たちが沢山居たので、話しやすかったのだと思います。結果的に、仮面浪人中も応援してくれたので、励みになっていました。

親御さんはどのような反応でしたか? 

両親には仮面浪人を決意した5月頃に電話で「今、大学を完全には楽しめ切れていない。仮面浪人をしてもう一度一橋に挑戦したいと思っている。」と話しました。すると両親は「わざわざ行った大学なのにどうしてそんな選択をするの?」「仮面浪人をしなくても今の大学で頑張ればいいんじゃない?」という意見でした。

しかし、「どうしても、もう一度挑戦したい!」「ここで諦めたら一生後悔する」と粘り強く話したら最終的には僕の意志を尊重して仮面浪人を認めてくれました。 

仮面浪人をするにあたり、ネットも参考にされたそうですが、具体的にどのようなことを調べたのですか?

仮面浪人をするにあたり、身近に参考となる経験者がいなかったのでネットで仮面浪人の体験談やQ&Aを検索しました。

今思えば、これは無意識に「仮面浪人をするべきだ!」という第三者からの後押しが欲しくてとった行動だったと思います。

しかし、ネットには「現役で落ちたのに受かるわけがない」「仮面浪人生のほとんどは失敗している」など仮面浪人に対してネガティブな意見が多く、自分が欲しかった情報がほとんど無かったですね。

ただ、いきものがかりの水野さんの仮面浪人についてのブログは僕も同じ一橋大志望だったので参考になりましたし、非常に勇気付けられたのを強く覚えています。 

自分の価値観について悩み続けた仮面浪人生活。

では、実際の仮面浪人生活はどのようなものでしたか? 

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僕は仮面浪人を決意した後、6月から大学をすぐに休学し、福岡の実家に戻って受験勉強を開始しました。休学した理由は国際教養大学は勉強が厳しく、そのことで受験勉強に支障を来してしまうと考え、大学との両立は厳しいと感じたからです。

そして、勉強に集中するために予備校に通いました。通っていた高校が予備校の特待生対象校だったために費用が安く、現役時代のセンター試験の成績も良かったので、授業料が全額免除でした。親に予備校代の負担をかけずに済んだので予備校に通ってしっかり勉強しようと思うことができました。 

また、現役時に受験勉強をやり切った感が自分の中にあったのですが、仮面浪人をしてみたらまだまだ勉強が足りていない事が多いと気付きました。そこを勉強してどんどん補填していく感覚が楽しく、受験勉強自体は楽しくできました。

仮面浪人中に困ったこと・辛かったことはありますか?

先ほども述べたように仮面浪人をするに当たって勉強面で辛かったことはそれほど無かったのですが、「自分の価値観」については本当に悩みました。仮面浪人を決意したきっかけの一つだった「社会を変えたい!」という想いも持ち続けてはいましたが、国際教養大学で5歳上の同期や何年も浪人した人達と出会ったことで「色々な生き方があるんだ」と知り、「社会を変えたい!」というこの想いは自分の今までの狭い価値観の中だけで決めた視野狭窄的な考えではないかと疑問を持つようになりました。

そうして国際教養大学で色々な人に出会い、視野が広がったことで「本当に僕は社会を変えたいのか?」「果たして大学を出た後、僕が社会で本当にやりたいことはなんなのだろう?」と非常に悩むようになりました。

そこで、予備校の先生に自分の悩みを相談したり、友人たちと将来の夢や目標について話をするなど、積極的にいろんな意見を聞いてみるようにしました。そうして様々な人達の話を聞いていく中で、仮面浪人中の自分の結論としては「自分は自分だし、人は人だから自分が幸せに感じる環境があればそれで自分は幸せかな」という考えに至りました。 

しかし、この自分の中で納得がいく結論が出たのが受験直前の12月頃で、結論が出るまでの約半年間は「何のために仮面浪人をしているのだろう?」「仮面浪人したいのは学歴を上げたい自己顕示欲だけではないのだろうか?」などとずっと悩み、精神的に本当に辛かったです。

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