「敢えてAO入試に全てを賭けた」仮面浪人でお茶の水女子大学に合格した大塩みなみさんインタビュー

「敢えてAO入試に全てを賭けた」仮面浪人でお茶の水女子大学に合格した大塩みなみさんインタビュー

大学からの課題をこなすうちに、合格の喜びを実感。

仮面浪人することを決意してから、大学の友人などには打ち明けましたか?

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ほとんど打ち明けられませんでした。言おうかなと思ったことも何度もありましたが、言った場合「この大学が嫌なんだな」と勘違いされる可能性があると思ったので、受験が終わったら合否に関わらず打ち明けようと決めました。

この「言えない」ことから来るプレッシャーは意外に大きくて、ジワジワ苦しめられましたね。なので合格発表後に大学に行って、友達に仮面浪人していたことを打ち明けたときは解放感でいっぱいでした。

みんなも内心「あの子もしかして…」と感づいていたようで、一緒になって喜んでくれました。どういう反応をされるかめちゃくちゃ緊張していたのですが、祝ってくれて本当によかったです。今でも結構その子たちとは遊んだりします。

合格後、県立女子大の授業には行きましたか?

お茶女からセンター試験は受けなさいという通知が来たので、その対策に専念することになりました。なので、仮面浪人していた時よりも大学に行く頻度は下がりましたね。

センターを終えたあとも県立女子大の期末試験は受けず、お茶女からの課題に打ち込んでいました。レポートが中心でしたが、完成したら一度は見せにくるようにと言われて、「少人数ならでは対応だな」と少し嬉しくもありました。

現在は希望通りに国際協力系の研究をなさっていて、学生団体でも活動なさっているとのことですが、大学を変えて環境の違いを感じることはありますか?

サークルの数が多く、学生団体も種類や数の面で充実していると感じます。また、多様な学部の子が同じ団体にいることも大きいですね。私が所属しているOchasという団体も、食をテーマとした団体なので栄養系の学部の子が多く、文献を読んでいて分からないことをお互い教え合ったりと、色々な人がいるからこそ得られる学びが出来ていると思います。

勉強面では、人数が少ないことも素敵ですが学べる範囲も幅広くて、去年は哲学にハマったりもしました。教授に質問に行ったら「三年以上が多く、ゼミっぽいけど、良ければ来る?」とお誘いいただいて、凄く内容の濃い議論に触れることが出来ました。他にも興味があるテーマについて教授から文献をお勧めされたり「こういう方向からアプローチしてみたら?」とアドバイスが頂けたりと、とにかく教授から色々なお話やご指摘が頂ける環境には満足しています。私は学生時代にはとことん学びたいと思っているので今の環境が十分すぎて満足しています。

仮面浪人の経験から自分自身と向き合う姿勢を学んだ

仮面浪人をした経験が今に活きていると思うことはありますか?

お茶女に行こうと決めるまでに、「なんでお茶女なのか」「そこに行ってなにをするのか」を納得いくまで考えました。自分のしたいことについて「なぜ?」と繰り返し問いかけ深堀りしていく過程は、今の自分のなかでとても大事なものになっていると思います。自分で考えることが無かったら、なんとなく授業に出てなんとなく就活の準備をして…と、流れに身を任せて生きていくことになっていたと思います。そうなるまえに「なんでこの大学に来たんだろう」「なんのために就活をするんだろう」というように、「なぜ?」という問いかけを常に自分に問い続けることで、しっかり自分の軸を持って大学生活を能動的に過ごすことが出来るようになったと思います。

仮面浪人を経て、価値観などに変化はありましたか?

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失敗に対する考え方が変わったと思います。現役のときに不合格に終わったお茶女に合格したことで、「失敗しても挽回すればいい」と思えるようになりましたし、挽回の仕方も一つではなくて、色々な方法があると分かりました。どん底を経験したので、今では失敗は全く怖くありません。失敗を避けていては成長って出来ないと思うんです。

仮面浪人についてどう考えていますか?

私にとっては良い選択肢だったと思えますが、生半可な気持ちではしない方がいいと思います。

とりあえず入ってみてから「じゃあ、ちょっとやってみようかな」という程度の気持ちでは正直厳しいと思います。両立することはそんなに簡単ではありませんからね。

選択肢の一つとしてはもっと知られるべきかも知れませんが、安易に選ぶべきとも思いません。

同じように仮面浪人しようと迷っている人に対して一言お願いします。

「絶対におすすめ!」とは言えませんが、もしも本当にやりたいことがあるなら仮面浪人は選択肢の一つに入れてもいいと思います。

このまま大学4年になって卒論を書きながら「やっぱりなんか違ったな」と後悔するのと、仮面浪人して不合格になった時の後悔とはまた違う種類の後悔だと思います。私は仮面浪人をして結果目標としていた大学に合格できたのですが、もしダメだったとしても恐らく後悔はしていなかったと思います。挑戦する前に後悔するのと、挑戦してみて後悔するのは全く別物だと思うんです。なので、精一杯挑戦してダメだったら悔しいとは思いますが、清々しい悔しさだと思います。

やりたいことがあったときに、妥協して困難の無い道を選ぶのか、それともやりたいことを重要視し、妥協せずに困難な道を選ぶのか。この2つのどちらが正しいとかはないと思います。人生の中で「妥協」というものも大切な一つの選択肢であると思いますし、もしそこで妥協したものだったらそこまで自分は思い入れがなかったんだな、と分かる一つの基準にも成り得ると思います。

【インタビュー日時:2015年1月15日】

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